食の旬暦

ドメーヌ・タカヒコ
《国井美佐の余市町ワイナリー巡り①》

第一回はドメーヌタカヒコさんです。

余市町で2番目にワイン造りを始め、いまや、世界ベストレストラン50で何度も1位を獲得したコペンハーゲンのお店『noma』にもオンリストされている、ワインラバー憧れのワイナリーさんです。

そんな曽我さんの畑に、ありがたいことに何度も足を運ばせていただいています。
メディア取材は勿論ですが、ワインイベントの企画などの相談でも、親身になって受けてくれるのが曽我さんです。
曽我さんと関わらせていただいて驚くのは、マスコミ対応、そして海外を含む偉い方の視察、首都圏へのPRでイベント参加なども、時間が許す限り受け入れていらっしゃいます。
忙しい農作業とワイン造りの合間に余市町ワイナリーの広告塔としての活動も積極的に引き受けているのが曽我さんなのです。

一体なぜなのか。
それは、ワイン造りだけではなく、余市町の未来つくりまで考えられているからでした。

『自分の子どもたちがワイン造りって楽しそう、継ぎたいと思ってくれたら嬉しい。そうなるには、環境を整えなければならない。ここ登地区の小学校は全校生徒わずか13人です。これでもまだ増えた方で、そのうちの8割はワイン農家の子どもたち。今のままだと廃校になってしまうけど、若い夫婦がワイン造りをしたいと登地区に来てくれたら子どもたちも増えるし、マチは発展していく。まずは自分の住んでいる所から耕し、それを他の地区でもおこなっていき、余市町自体の人口を増やして盛り上げていきたい』

曽我さんはワイン造りだけではなく、余市のマチつくりの事を考えて、忙しいなかメディアやVIP対応をされていたことに、ただただ感激して胸が熱くなりました。
そんな曽我さんのつくるワインは出汁っぽさが特徴で、まさに余市町のテロワールを表現した味わいです。

曽我さんはよく
『ワイン造りは農家さんが漬物をつくるのと同じだよ』と話します。

『難しく面倒なつくりかたをしてしまったら、若い人たちが真似できないし、曽我さんだからできることでしょ?と言われてしまう。だから、昔ながらの自然でシンプルな手法でつくり、うちは野沢菜、お隣はべったら漬け、のようにそれぞれが違う個性をだしていけたらいい。』

今回のふるさと納税用のワインも、若い人を応援するワインとなっています。

地域おこし協力隊で曽我さんのワイナリーをお手伝いしている、世界最年少マスターソムリエ(日本人唯一)の高松亨さん。いずれシャルドネをつかったワインを余市でつくりたいと、曽我さんの元で修行しています。

高松さんの未来を応援してあげたいという思いから、曽我さんもはじめてとなるシャルドネをつかったワインを一緒に仕込むとのこと。
『トオルのシャルドネ』
未来に繋がるワインがまもなく出来上がります。

top