食の旬暦

余市ワイナリー訪問記(9)
ワイナリー夢の森

今年で4年目を迎える「余市町感謝祭」。
2023年も、余市町のワイン産業そして余市町というまちを応援してくださっている寄附者のみなさまへ感謝の気持ちを込めて素晴らしいワインセットをご用意いたします。
「余市町のために」と、ご協力いただく、造り手のみなさんからお話を伺いました。

幼稚園の理事長という顔も持つ、大下聡さん

ワイナリーを設立したきっかけは、幼稚園の子供たちに自然体験の場をもちたかったから。
「農地を買ってそこで子供たちが種を撒いて収穫する、体験の場を持ちたくて農地を探していて、畑を20か30アールでいいから売ってくれないかって話したんですよ。」

しかし、農家の方には「そんなに小さく畑を切り売りする人はいない」と言われ、3ヘクタール購入することになってしまったとのこと。ちなみに3ヘクタールは余市町の専業農家の平均耕作面積だそうだ。
「3ヘクタールの畑を僕の技術で維持していくのは大変なことで、とてもじゃないけど管理しきれないからもう畑を売ってしまおうかなとも考えたんですけど。たまたま畑の中に“セーベル”っていうワイン用ブドウが植えられていて、ブドウを育ててワインにすれば、この畑もなんとか維持できるのでは?と考えたんですよ。そうは言っても ワイナリーの技術や知識は全然ないですからね。当初は大変でした。」

ワインの知識ゼロからのスタート

ワインを作ることに関して知識がなく、初年度は山梨からワイン作りのコンサルタントの方に来てもらい1年間ぶどう栽培から醸造方法まで教えてもらった大下さん。
「本当に基礎的なことですよね、1年目ですから。そんな感じで始めたんですけど、 1年くらいやっても全然わからないですよね。また来年もコンサルタントの方に来てもらって教えてもらおうと思っていたのですが、コンサルタントの方はダメだって言うんですよ。来年も自分が作ったら、あなたのワインじゃなくなるでしょうって。 電話で連絡を取るのは良いと言われ、もうそれはしょっちゅう電話して造り方を教わりました。そうして1年1年体験を重ねて、今の形が出来上がりました。」

基本に忠実に。いつか子供たちと飲む日を夢見て

ワインは基本通りに造る事をモットーにしているとのこと。
「どんどんワインらしくなってきた感じはするのですが、専門的な知識も技術もないところから始めているので、基本通り忠実に造る事を心がけています。あとは、色々な人との交流の中で、こうやったらいいんじゃないかとか意見を出し合って、少しずつ自分たちのワインらしくなってきている感じですね。」
基本に忠実に、困難な時には経験豊富な他の生産者さんから技術を教えてもらいながらワインを造っている大下さん。

「幼稚園の子供たちに20歳になったらみんなでワイナリーに集まって、ワインを飲もうと約束してるんです。もちろんお母さんたちも来てもらって。その日が来るのを楽しみにしながら、ワインを造っています。」

ワイン生産者のご紹介

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